MI-6株式会社の研究者が共著した論文「Improved Regret Analysis for Parallel Gaussian Process Bandit Optimization」が、機械学習分野の主要な国際会議「NeurIPS 2026」において、Spotlight論文として採択されました。

NeurIPS 2026 Main Trackには30,709件の有効な論文投稿があり、そのうち7,900件(25.7%)が採択されました。採択論文の内訳はPoster 7,496件、Spotlight 292件、Oral 112件で、Spotlightとして採択された論文は全投稿の約1%でした。

研究概要

本研究では、複数の候補を同時並行で評価する「並列ベイズ最適化」の性能保証について、新たな理論解析を行いました。

ベイズ最適化は、未知の目的関数を効率的に最適化するための手法であり、実験やシミュレーションの回数を抑えながら、有望な条件を探索することを目的としています。特に、複数の実験を同時に実施できる環境では、複数の候補をまとめて選択する並列最適化が重要になります。

従来、代表的な並列ベイズ最適化のアルゴリズムの性能を理論的に解析すると、並列数(バッチサイズ)に応じてリグレット上界が悪化するという課題がありました。この悪化を避けるため、既存の解析では最適化の開始時に不確実性に基づくサンプリングを行うことが必要とされていました。

本研究では、GP Batched Thompson Sampling(GP-BTS)を対象として、こうした事前のサンプリングを行わなくても、並列数に関する乗法的な悪化を含まないリグレット上界を得られることを示しました。さらに、観測ノイズがない場合について、ノイズがある場合よりも改善されたリグレット上界を示しました。

本成果は、複数の実験や評価を並行して行う状況におけるベイズ最適化の理論的理解をさらに前進させるものです。

材料開発とベイズ最適化

材料開発では、実験やシミュレーションに時間やコストを要する一方、複数の候補条件を並列して評価できるケースも多く存在します。

MI-6では、機械学習を活用して次に実施すべき実験条件を提案するベイズ最適化を、材料開発を効率化するための重要な基盤技術の一つと位置付けています。

本研究のような並列最適化に関する理論研究を通じて、アルゴリズムの性能や特性に対する理解を深めるとともに、実際の材料研究開発において、より効率的かつ信頼性の高い探索を実現するための技術基盤の構築につなげていきます。

論文情報

論文タイトル
Improved Regret Analysis for Parallel Gaussian Process Bandit Optimization

著者
竹野 思温(名古屋大学)
岩崎 翔吾(MI-6株式会社)

採択会議
NeurIPS 2026 Main Track(Spotlight)

論文
arXiv: 2608.16492
https://arxiv.org/abs/2608.16492

MI-6は今後も、材料科学と機械学習の双方にまたがる研究開発を推進し、材料開発を支える機械学習技術の発展に貢献してまいります。