MI-6株式会社リサーチチームの岩崎が携わったベイズ最適化に関する研究論文が国際会議 ICML 2026に採択されました。本研究ではガウス過程トンプソン抽出法(Gaussian process Thompson sampling, GP-TS)の「リグレット」と呼ばれる理論的性能に関する研究です。
ベイズ最適化において、GP-TSは実用的な有効性が高い一方で、ガウス過程信頼上限法(Gaussian process upper confidence bound, GP-UCB)に比べると、累積リグレットの確率的評価などの理論的解析が期待リグレットのみに限定されているという課題がありました 。また、近年GP-UCBにおいて進展が見られる「Lenient Regret」と呼ばれる許容誤差を超える損失を測る性能指標の解析や、時間ステップ数に対する累積リグレット上界の改善手法を、GP-TSに対して適用できるか否かはこれまで明らかになっていませんでした。
本研究では、GP-TSにおける(1) 確率的な保証の改善, (2) Lenient Regretに対する性能の保証、(3) 累積リグレット上界の時間ステップ数に対する改善を成し遂げました。今後は、本解析手法で用いた前提条件やカーネル関数の適用範囲を拡張し、さらなる理論的改善を進めることが継続的な開発ロードマップの焦点となります。
この数理理論の進展は、新材料開発や自律的な実験最適化の現場において、より信頼性の高い最適化アルゴリズムの選定および探索効率の向上に寄与することが期待されます。
論文情報
- タイトル: On Regret Bounds of Thompson Sampling for Bayesian Optimization(リンク)
- 採択学会:Forty-Third International Conference on Machine Learning (ICML 2026)
- DOI: https://doi.org/10.48550/arXiv.2603.09276
- 著者: ※所属は論文記載時点の情報に基づきます。
- 竹野 思温 (名古屋大学)
- 岩崎 省吾 (MI-6株式会社)
