ジヤトコ株式会社、東京大学、およびMI-6株式会社の3者は共同で、駆動系浸炭部品の製造プロセスにおける異常粒発生予測に関する研究を行いました。本成果は「ジヤトコテクニカルレビュー」に掲載されました。

自動車等の駆動系部品に使われる鋼材の浸炭処理工程では、結晶粒が局所的に粗大化する「異常粒成長(grain growth 以下, G.G.)」の発生が製品強度の低下を引き起こすため、その抑制が重要な課題となっています。しかしながら、材料の組織形態や歪み、浸炭温度といった多次元の製造条件が複雑に相互作用するため、個々の要因とG.G.との関係を個別に捉えるだけではG.G.がどのような条件で発生するかを捉えることが困難でした。

そこで本研究では、複数の要因の繋がりを扱うことができる「ベイジアンネットワーク」を用いました。素材、冷間成形、浸炭に至る製造プロセスを踏まえ、材料・製造に関する知見に基づいてパラメータ間の関係を整理し、実験データと組み合わせることで、予測時に工程途中の中間特性を直接測定や入力することなく素材特性や製造条件からG.G.の発生有無を予測するモデルを構築しました。 その結果、G.G.を発生させない製造条件を88%の精度で予測することができました。

本技術の確立により、工程途中の中間特性を直接測定することなく、G.G.の発生リスクを事前に予測することが可能となります。また、モデル上で各パラメータを変化させた際のG.G.発生確率の変化を確認できるため、G.G.を抑制する製造条件の検討や、発生に関係する要因の分析にも活用できます。これにより、製造条件の設計・改善や、異常発生時の要因検討の効率化への貢献が期待されます。

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